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SAI DIARY
小児の虫歯と歯周病について 卒後研修②
2016年1月26日小児の虫歯についてですが、最初に見つかるのが、1歳半検診です。
母乳を与えていると、上顎前歯に母乳が付着しやすく、寝かしつけの時に飲ませながらといった習慣が続くと、虫歯になります。哺乳瓶で、スポーツ飲料やヤクルトなどを飲ませて寝かすのも同様に危険です。
母乳はとっても良いのですが、虫歯の点から言うと、歯が生えると卒乳を考えていかなければいけません。もちろん、授乳後、歯を磨けば、何の問題も有りませんが、現実問題として清掃困難です。
1歳半頃に、虫歯になって困るのはまず、赤ちゃん。歯が痛いですが、伝えられません。
保護者の方も、忙しいのに、子供の虫歯治療に歯医者に連れて行かなくてはいけないし、1歳半ではきちんとした治療なんてできません。
この母乳ウ蝕(母乳での虫歯)は、ミュータンス菌による発生とは異なる機序なので、1歳半検診で、指摘されたら、(指摘されなくても)そろそろ卒乳が望ましいです。
上の前歯の裏側が薄くなってきて、ピンク色やクリーム色っぽく見えてきます。エナメル質が溶けてなくなるからですね。
次は、指しゃぶり(吸指癖)について
統計的に、3.8歳頃になると自然と止めることが多いそうです。
4歳になったら止めること!と考えておかれると良いでしょう。
やめないと、どうなるかと言うと
・開咬(上下の前歯が閉じない)
・上顎歯列狭窄(歯医者にとっては、とても嫌な状態、骨が狭くなるので、歯が並びません。気道も狭くなり、元気な大人になりません)
アプローチは、4歳までは自然に止めるまで待つ。鏡を見せて、自分の状況を把握させる。指にバンソウコウ。不愉快な味のするマニキュアもあるそうです。
5歳以降は、タンクリブという大げさな装置を矯正的に入れて、止めさせます。
口の中に入ってるフォークみたいな装置なので、できれば、自分で止めさせたいですね。
4歳までにに止めれば、生えかわる時には、きれいに治っていますから大丈夫です。
小児の歯周病ですが、基礎疾患がなければ、ほとんどが不潔性歯肉炎です。
磨けば治ります。
非常にレアな疾患として、骨形成不全症・低フォスフォターゼ症、X連鎖性低リン血症性くる病があります。
早期に乳歯脱落が見られます。10万人に数人とかのレベルなので、ほとんどの人には関係ありませんが、もし、4歳までに外傷以外で乳歯が抜けてしまったら、すぐに相談が必要です。
あと、癌治療が進歩して、一昔なら、亡くなっていた病気でも、抗がん剤の効果でサバイバーになるケースが増えてきました。
子供の抗がん剤治療の場合、その時に成長するはずの歯がダメになるようです。骨の疾患だとなおさらです。
私の患者さんにも、抗がん剤治療を受けた、受けている子供さんがいますが、やはり、歯が弱いと感じます。
命が助かっているので、歯のことで、悩ませたくないですが、本人の努力で解決できないレベルで、歯の脱灰が進んでいるときは、とても心が痛みます。
なるべく、病気のせいと感じさせないよう、金属が見えるところに増えないよう、早期治療を心がけています。
次のブログは、小児の外傷について書きますね。