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SAI DIARY
非抜歯の悲劇・矯正で抜歯か非抜歯かについて
2016年2月23日「歯を抜かないで、矯正できますか?」
という問いかけに対し、多くの矯正医は、症例によりけりと答えます。
歯を抜かなくて良い矯正もあれば、歯を抜いたほうが良い矯正もあります。
以前、矯正専門の他院から、転院されてきた患者さんが、非抜歯ゆえに、悲惨なことになっていました。
その患者さんは、弁護士を介して、前の先生と調停にまでなっていたので、矯正のやり直しを引き受けた私としては、診断と再治療の方法にとても悩みました。今更、抜歯を提案したところで、患者さんはOKされないだろうなと思いました。
「どうしても抜歯をしたくない」と言われても、抜いたほうが良い場合があります。
身長がある年齢に達したら、変化しないように、顎の骨にもそれぞれサイズというものが有ります。歯の大きさも、昔々から、先祖代々、受け継いだDNAでお腹の中にいるときから、大きさが決まっています。
サイズがある程度決まっている顎骨という器に、24個の歯という物体をどう入れるかというふうに考えた時、どうしても、あふれ出てしまうこともあるのですね。
最初に、抜かずにやりましょう!と医者が言い切ってしまって、途中で抜かないと入らないなんて言い出せなくて、はみ出しながらも並べられてしまった患者さんに、まれに遭遇します。
患者さんは、もうすぐ終わると思って、なかなか終わらなくて、セカンドオピニオン相談に来られて、拝見して、私は、「あ・・・」と心の中で思います。
なぜ、非抜歯でやろうとしたんだろって。
そういう患者さんは、たいてい、まじめで、一生懸命通っておられます。
最初の先生は、言い出せなかったのかもしれません。
昔より、抜かなくて良い矯正の方法が増えたけれど、やっぱり、抜いたほうが、安全な場合が結構あります。
非抜歯にこだわりすぎて引き起こされる悲劇があるっていうお話でした。